2013年04月08日

Movie Prop Badges #11

 私は、アメリカのTVドラマや映画に取り上げられる頻度の多いアメリカンポリス(以下PD)のNo.1はNYPDで、次がLAPDではないかと思います。
 しかし、中には、どうした訳か実在するPD名を「使わない」・「使えない」場合も見受けられます。古くは、映画ではないのですが、1956年から50年の長きにわたり続き、警察小説というジャンルを築いたといわれる、エド・マクべインの『87分署シリーズ』(“87th precinct”)はアメリカ東部の『アイソラ(Isora)』という架空の街のPDが舞台ですが、これなど、街の表現から、警察組織に至るまでニューヨーク市・NYPDがモデルであることは、疑いのないところです。ちなみにNYPDには87分署は実在しません。
 また、ABCテレビにおいて1996年から2シーズン・36エピソード放送された“High Incident”(邦題:ハイ・インシデント/警察ファイルJ・日本ではTBSにおいて2000~2001年に深夜にて放送)は、S. スピルバーグが共同制作者に名を連ねていたということで(私は知りませんでしたが、友人に聞き驚きました…..)、中身の濃いポリスドラマでしたが、これも、“El Camino”というカリフォルニア州の街を舞台にしていましたが、ロスアンゼルス市・LAPDがモデルであることは間違いないのではないでしょうか。
 さて、ここまでは序章でして、今回の本題は……FX・TVにおいて2002~2008年まで、7シーズン・88エピソード放送された“THE SHIELD”(邦題:ザ・シールド~ルール無用の警察バッジ~)を取り上げます。
実在の、街名やPD名を使わない理由には、物語の想像性などもあるのでしょうが、私は、内容が「キツ過ぎる」ために「使わない」「使えない」ことが多いのではないかと思っています。
 この“THE SHIELD”は、後者の「使えない」典型的なドラマではなかったでしょうか……?というのも、舞台は“Farmington(ファーミントン)”という架空都市のPDのギャング対策専門ストライクチームですが、これは、そのままロスアンゼルス市・LAPDランパート署の“CRASH UNIT”をモデルにしていることは間違いないと思いますが、ドラマの内容が過激な上に(事実に近かった?)、当時LAPD史上の汚点と言われた『ランパート・スキャンダル』後であったため、TVドラマや映画に協力的な(有料ですが)さすがのLAPDも一切協力しなかったばかりか、第2シーズン(第1シーズンの途中からかもしれません)から、ポリスドラマ始まって以来ではないかと思われる『大変身?』を遂げています。
 私が、なぜ、『ザ・シールド』を取り上げたのかというと、この『大変身?』を皆さんと共有したかったからなのです……。
まず、最初の画像の上段は、シーズン1のPRフォトで、下段がシーズン2のPRフォトですが、何が『大変身』なのか、解りましたか?

Movie Prop Badges #11


 最初の画像が小さいこともありますので、第2ヒントのシーズン1の画像です。
Movie Prop Badges #11


Movie Prop Badges #11


 更に、シーズン2画像.....。
Movie Prop Badges #11


 お解りになりましたか? バッジのデザインが変わった......? 確かに変わっていますが、それだけではありません......次にシーズン2の画像が反転ししまっている......と思われた方が多いと思いますが、それは不正解です! なんと、ユニフォーム・オフィサーのバッジが右胸にあるのは、画像が反転しているのではなく、実際に右胸に着用しているのです……!? 「でも、何故……?」
 全米の警察組織では、ユニフォームにブレストバッジを着用しないところもありますが、右胸にブレストバッジを着用している組織を私は知りませんし、多分、皆無ではないかと思いますので、このドラマのファーミントンPDが唯一無二ではないでしょうか…..? 再度、「でも何故?」
 そこで、ネタバラシですが、シーズン1のバッジはLAPDソックリではないまでも、同じオーバルシールドで、もちろん左胸に着用していましたが、ドラマの内容があまりにも過激であり、やっと治まりつつあった『ランパート・スキャンダル』を思い起こさせるとして、LAPDからの猛烈な抗議があったため(あくまでも噂ですが)ドラマのシチュエーションを変更する過程で、ありえないバッジ右胸着用とバッジデザインの変更とでLAPDとは関係ないことを強調したのではないか……でも、シューティングメダルとかメタルボタンがLAPDそのものだけれど.......というのが、業界内の噂?だったようですが、皆さんはどう思われますか……。
 画像はシーズン1のタイトルバックに使用されたプロップバッジです。
 
Movie Prop Badges #11


 次は、その想像図です。
Movie Prop Badges #11


 変更後、右胸着用プロップバッジです。
Movie Prop Badges #11


 その想像図です。
Movie Prop Badges #11


 こんな、フツーの人々には「どーでもいーこと」が、気になってしまうのが、アメリカンポリスフリークなのです......ご清聴?ありがとうございました。



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Posted by Kent Space at 16:37│Comments(3)Movie & TV
この記事へのコメント
シールドはとても衝撃的なドラマでしたね。友人からの薦めで途中から見始めましたが「ここまでやっていいのか!?」と思うようなシーンのオンパレードで警察ドラマの常識を覆させられた気がします。
Posted by アリ at 2013年04月08日 23:18
シーズン1のタイトルに使われたバッジは映画ではよく見かけますね。
階級やナンバーに差異はありますが、私も一つ持っています。
どの映画で使われたのか探している最中ですw
Posted by どこかの忍者 at 2014年09月13日 13:19
どこかの忍者さんへ:
コメントありがとうございました。

B級ポリスムービー&ドラマのLAPDバッジとしてよく登場しますね。
Posted by Kent SpaceKent Space at 2014年09月14日 15:37
 
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