2013年05月23日

Movie Prop Badges #17

 “THE CLOSER” 2005年から2012年8月まで7シーズンにわたり109エピソード 放送され、惜しまれながら終了した、Kyra Sedgwick 演ずる LAPD Deputy Chief Brenda Leigh Johnson が活躍するポリスドラマでした。 LAPDの内情やプロップなどにある程度のこだわりがみられたのと、ストーリー展開の面白さから、私も必ず録画して観ていましたが、遂に7シーズン目に主役の Kyra Sedgwick が降板することになり、終了が決まってしまいました。 しかし、膨大なファンの要望によりシーズン7は15話で終了の予定を6話加えて21話放送されたほどの人気でした。
 ドラマの中には、LAPDが旧本部ビルであるパーカーセンターから新本部ビルへ移転する話題や、CHIEF交代劇や降格人事など、実際にあった出来事などを織り込み展開していたので、特に興味を持ち観ていました、がしかし、ポリスフリークからすると 『ツッコミ』 たくなるところもありましたので、少しツッコミますが、これはあくまで 「好きだからこそイジメテしまう」 のです......。
 何度か登場していますが葬儀などの時のユニフォーム着用シーンに一言.......シーズン7にもありますが、全員のユニフォーム姿もコーディネーターのおかげで、一見 『お見事!』 なのですが、ポリスフリークは 『重箱の隅を』 突いてしまうのです……
 まず、レギュレーション・ハット(制帽)ですが、実際のLAPDでは、サージャントからキャプテンランクまではメタル製のチンストラップで、コマンダー以上のハイランクは、銀モール製のチンストラップにバイザー(ツバ)に銀モール刺繍がありますが、ドラマではすべて、プレーンパイザーにメタル製のチンストラップを付けています。




 実際のLAPDハイランク・オフィサーのレギュレーション・ハットのバイザーの銀モール刺繍は、コマンダーからアシスタント・チーフまでは同じですが、チーフは刺繍が多くなっています。



 また、本来サージャントランク以上にあるハットバッジ上部にランクリボンパネルがなく、シティーシール下部の “POLICE” と表記される所が “OFFICER” になっています。(これって先にMovie Prop Badges #12で取り上げた“Gangster Squad”に使用されたハットバッジと同じ......)さらに、チンストラップボタン(耳章)がLAPD用でなく、いわゆる“P”ボタンになっています。



 LAPDの現用実物レギュレーション・ハット(制帽)&バッジです。 左側がデェピュティー・チーフランクで、銀モール刺繍付きバイザーに銀モール製チンストラップ、右側がキャプテンランクで、プレーン・バイザーにメタル製のチンストラップです。



 次に、ユニフォームに付く4個のメタルボタンも“P”ボタンが使用されており、そのエポーレットもLAPD独特の縫付処理がされていません。 また、POLICE OFFICER Ⅲからサージャントランクまで着用するシェブロンの取付位置が上部過ぎます。さらに言ってしまえば、通常勤務のユニフォームオフィサー達がユニフォームシャツの下にボディーアーマーを着用していません。 これは “SOUTHLAND” や “END OF WOTCH” では、ダミーでしょうが、ちゃんと着用していますので、今後のポリスドラマを制作するうえで、臨場感を醸し出す重要なアイテムかと思います。
 それでは、プロップバッジの出来はと言うと、文字がハードエナメル仕様でなくソフトエナメル仕様であること、オーバルシールドの反りが左右反りであることなどを除けば、デザイン・文字表記などはほぼ実物どおりです。また、LIEUTENANTバッジナンバーが“2641”など現行に近いものを使用しています。




 しかし、シーズン7のシーンで気が付いたのですが、CHIEFの着用しているバッジのナンバーパネルに、なんと4スターではなく “3998?” と5桁もの数字が刻印されていました。



 さらに、シーズン1で頻繁に登場していたポケットバッジですが、これは実際にLAPDでも使用されているものですが、オフィシャルではなく個人で購入するものらしく、ハイランクのオフィサーがスーツ姿で記者会見などをする時に着用するもので、デェテクティブが事件現場に着用していくかは疑問ですし、しかも、バッジを着用した上でさらにポケットバッジを着用するのは、ドラマの脚色というところでしょうか? ポケットバッジをよく見るとシティーシール下のリボンに実物は “LOS ANGELES POLICE” と表記されていますが、プロップ仕様にしてあるため “LOS ANGELES” と変えてあります。 さらに、 現行では DETECTIVE-LIEUTENANT という表現はないでしょうね。



 実際に”Chief Charles L. Beck” も着用していますが、オフィシャルではないとのことです。



 Phillip P. Keene 演ずる Buzz Watson ですが、クライム・シーン(犯罪現場)のビデオ撮影から、インタビュー・ルーム(取調室)のコーディネートまで幅広く活動していますが、彼もバッジを着用していますので、シビリアンの技官のようです。 ドラマで着用しているバッジは2トーンですが、実際はもう少し小型のP-60型シールドでゴールドカラーです。 左が”CRIMINALIST” 右が ”PHOTOGRAPHER” 用で、この画像のバッジの他にSID:Scientific Investigation Division (科学犯罪捜査部)も同じP-60型シールドです。



 また、パトカーのドアデカールは、シティーシールは盾部分が大きめですが実物に似せています、標語が ”to protect and secure” に変えてあります。



.......と、ここまで書いてしまうと「言い過ぎダヨ!」と思われるファンの方もいるかと思いますが、ポリスフリークの 『小言幸兵衛』 と笑ってお許しください。
 さて、“THE CLOSER” 終了してしまい淋しい限りですが、どっこい2012年8月からスピンオフで ”Major Crimes“ が放送されており既にシーズン2の放送も決定されているようです。 主演は、Deputy Chief Brenda Leigh Johnson の天敵かと思われた Mary McDonnell 演ずる Captain Sharon Raydor で、ほかの出演者もほぼ変わらず登場しているようです。乞うご期待!! でも、ガブリエルの姿が見えない..........??



  

Posted by Kent Space at 17:07Comments(10)Movie & TV