2016年08月29日

速報!:リアル ポリス ストーリー

 現地8月26日金曜日に、なんと奇跡的な出来事が2件も発生しました!

 最初は、26日早朝に家庭内暴力の通報を受けたカリフォルニア州ハンティントンビーチ市警察(以下HBPD)のオフィサー2名がPCにて駆け付けたところ、突然家庭内から発砲を受け、PCのフロントガラスを突き抜けた弾丸が片方のオフィサーの左胸を直撃! しかし、弾丸はオフィサーが着用していたバッジにヒットし止めたことにより大事には至らず、その後、容疑者は自家用車で3つの群をまたぎ逃走したが、ノースバウンドインターステート15付近で道路を外れクラッシュした衝撃で車が炎上したことにより、閉じ込められた容疑者は焼死してしまったとのことです。
 次のCBSニュースではPCに同乗していたパートナーの女性オフィサーのインタビューに加えて、HBPDバッジのメーカーであるエンテンマン・ロビン社のCEOもインタビューされています。
http://losangeles.cbslocal.com/2016/08/26/fiery-pursuit-crash-officer-involved-shooting/
 画像左側バッジの赤丸部分に着弾し、破片がオフィサーの顎下に当たり軽傷を負ったとのことです。右は受傷したオフィサーのパートナーが自分のバッジで着弾位置を示しています。


 次は、26日午後7時過ぎにネバダ州のボールダー・ハイウェイで違法な速度で疾走している車両をネバダ州ハイウェイ・パトロール(以下NHP)のPCが追跡したところ、ラスベガス市近郊で銃を発砲し始めたため、PCに同乗していたNHPトルーパーの左胸を弾丸が直撃してしまったとのこと! しかし、HBPDオフィサー同様に着用していたバッジが弾丸を止めたことにより、NHPトルーパーは直ちに反撃し銃撃戦となった末、容疑者は死亡するに至ったということです。
 画像の左側の赤丸に弾丸がヒットしたが、セブンポイントスター・バッジの星先を変形させ止めたとのことです。右側がノーマルなNHPバッジですが、トップに付いていたランクパネルとサークル&5ポイントのパーツはふっ飛ばされてしまったようです。
 なお、トルーパーは無傷で済んだとのことで、HBPDオフィサーと同様なによりでした。
 オフィサーの命を守ったとも言えるアメリカンポリスのバッジは、遥か昔から 『胸に輝く銀の星』 として法執行官のシンボルであり、さらに、プライドを誇る象徴でもありますが、バッジのことをシールド(盾)と呼ぶのも伊達ではないように思われます。


  

Posted by Kent Space at 15:46Comments(2)From U.S.A.

2016年08月28日

連邦系法執行機関(フェデラル・ロウ・エンフォースメント)#3

 第3回目はメジャーなところをということで、連邦法執行機関としては最も古い1789年に組織された司法省管轄のUSマーシャル・サービス(米国連邦保安官局)を取り上げます。
 今回もバッジを中心に取り上げますが、局の中心は何といっても全米94地区に配属されているUSマーシャル(連邦保安官)と約5000名配置されているデェピュティー・マーシャル(連邦保安官補)達です。
 西部劇時代はワイアット・アープがデェピュティー・マーシャルとしてクラントン一味と対決したOK牧場の決闘が有名ですが、現在は司法制度の保護を第一の目的に、連邦裁判関係者及び施設などの保護や被告人の監視、連邦犯罪を犯した囚人の護送、逃亡犯の追跡などが主な役目となっています。 また、映画やドラマでもちょくちょく登場する 『FWPP:証人保護プログラム』 の執行や連邦準備銀行の警備なども担当しています。
 現行のサービスガンはグロック22・23・27(40S&W)ですが、バックアップガンは各自選択できるようです。USマーシャル・サービス内のSWATであるSOGのメンバーはM1911A1スプリングフィールドプロレールピストル(45ACP)を使用しています。
 さて、そのバッジは1789年以降全米各地区などで各々作製していましたが、1941年に統一され、イーグルトップ・シールドバッジがシリーズ1バッジとなり現行はシリーズ3となります。
 次の画像左からシリーズ1・2・3ですが、シリーズ2バッジは俗称パティー・ハーストバッジとも言われ1974年に発生した新聞王ハースト家の令嬢パトリシア・ハースト誘拐に端を発した 『シンバイオニーズ解放軍事件』 時に着用されていたことによりこの俗称で呼ばれるようになったといわれています。
 現行のシリーズ3・シルバー・カラーのサークル&5ポイントスターバッジはデェピュティー・マーシャル用のもので、直径2・1/4インチ(約57ミリ)で全体に軽くドーム状に湾曲しており、文字などはブルー・ハードエナメル(センターシールの一部レッドカラー)仕様、センターシールは別バーツの2ピース仕様、裏面はピンではなく中サイズのクリップ付で、101から6000番までのコントロールナンバーが刻印されており、現行契約メーカーはブラッキントン社となっています。このほかにも連邦裁判所の警備官用のプラスチック板に小型バッジを張り付けたポケットバッジも存在しています。
 次に、右端のバッジは各州・市・群などとの合同捜査の折関係地域のLE(ロー・エンフォースメント)オフィサーを臨時にに任命した場合に使用するスペシャル・デェピュティー・マーシャルバッジで、ブラッキントン社製ですが左のデェピュティー・マーシャルバッジより小型サイズといわれています。


 シルバーカラーのバッジは約5000名のデェピュティー・マーシャルに発行されていますが、全米94地区の各責任者であるUSマーシャルとトップのディレクターなどに発行されているのが次のゴールド・カラーバッジで、裏面はシルバーバッジと同じ仕様、1から100までのコントロールナンバーが刻印されており、同じくブラッキントン社製となっています。
 シルバーバッジは未確認ですが、ゴールドバッジはウォレット用とレイド用の2個支給されるようです。


※読者の方から、コメント欄で連邦系バッジのナンバーについてご質問をいただきましたが、再度ブログ上で簡単に触れておきたいと思います。
 連邦系のバッジについてはナンバーを表面パネルに表示する場合、パネルはあっても表示せず裏面に刻印する場合と表面にパネルもなく裏面に刻印する場合がありますが、あくまでも個人とバッジをつなぐコントロール・ナンバーであり、さらに紛失・盗難などに対応するためのものでもありますので、IDのシリアル・ナンバーとは別管理となっています。 IDのシリアル・ナンバーはリサイクル使用されることもあるバッジナンバーとは異なり、全職員の管理用であり退職・新採用などにより同じナンバーが重複することがないよう一括管理されています。
 また、連邦系を問わず制服を着用するオフィサーの場合、米国では1970年代からネーム・プレート(名札)の着用を義務付けておりバッジ・ナンバーがなくても個人を特定できますので、現在では 『備品番号』 程度と考えてもよいかもしれません。

 前回取り上げたエー.ティー.エフ. ですが、その後実物バッジ画像を入手しましたので、アップします。
 最初のバッジはナンバー2のデェピュティー・ディレクター用でナンバーも2となっていますが、現役の方ではなく以前の女性デェピュティー・ディレクターのものです。


 次は、各州・市・群などとの合同捜査の折関係地域のLE(ロー・エンフォースメント)オフィサーを臨時にに任命した場合に使用するシルバーカラーのタスクフォースバッジです。このようなバッジは他の連邦系でも同様のバッジが発行されていますが、連邦系捜査官の人数は限られているため、こうした措置がとられているようです。


 臨時発行のバッジは合同捜査終了後は返納するようですが、LEオフィサー達は記念に次の画像のようなバッジを作製することもあるようです。しかし、これらはオフィシャルなものではなく、あくまでも記念バッジとされています。



 今回は夏風邪の病み上がりで、しかも久しぶりのお神酒入り?のため、勘違いや間違いがあるかもしれませんがお許しください......気がつき次第順次訂正させていただきます.....!?  

Posted by Kent Space at 19:55Comments(7)From U.S.A.

2016年08月07日

連邦系法執行機関(フェデラル・ロウ・エンフォースメント)#2

 今回は、前回のディー.イー.エー.に続きメジャーな連邦系とも考えたのですが、長い歴史の中でいくつかの組織に枝分かれし現在に至っている、私的に思い入れのある組織を取り上げてみることにしました。
 それは米国財務省管轄のインターナル・レベニュー・サービス略してアイ.アール.エス.:内国歳入庁(日本で例えれば財務省内局の国税庁か)に属するアイ.アール.エス.‐クリミナル・インベスティゲーション(内国歳入庁犯罪捜査部?)ですが、遡れば有名捜査官や現在ではメジャーになった組織が枝分かれしていたりという興味深い組織でもあります。
 やはり詳細についてはネットで検索していただくとして、バッジを中心にお伝えします。
 まず、アイ.アール.エス.:内国歳入庁は国の根幹である国税徴収を目的に1862年に創設されていますが、脱税などの調査・捜査のためのバッジAを設定したのは1869年と古く、さらに1920年に成立した悪名高い?『禁酒法』 によりビューロー・オブ・プロイビィション(酒類取締局:ランクタイトルのプロイビィション(PROHIBITION)は直訳すると禁止)が設けられバッジBとなり、アル・カポネなどの犯罪者と対峙することになります。
 そして、かの有名なエリオット・ネス隊長が参加することになるのがバッジC・Dの時代ということになり、往年のTVドラマや映画でお馴染みの 『アンタチャブル』 ということになります。そのネス隊長はエフ.ビー.アイ.の捜査官といわれていますが、実はアイ.アール.エス.のビューロー・オブ・プロイビィション(酒類取締局)の捜査官であり、その後もエフ.ビー.アイ.に所属したことはなかったということです。
 その後1933年に禁酒法が廃止さてるとビューロー・オブ・プロイビィション(酒類取締局)からバッジEのアイ.アール.エス.・インベスティゲーターとなり1952年にバッジFとなるのですが、ここで下部パネルのアルコール・アンド・タバコ・タックスというタイトルに注目してください!?
Photo by エー.ティー.エフ.


 次の画像は実物エリオット・ネスの1927年発行ビューロー・オブ・プロイビィション(酒類取締局)のIDです(1934年頃まで所属)。


 そして1987年公開の ”The Untouchables” (邦題:アンタッチャブル)のケヴィン・コスナー演じるエリオット・ネスですがバッジCじゃなくてDモドキでしょうか??


 私は、1956~1963年までTV放映されたロバート・スタック演じるエリオット・ネスがシックリきます.....。


 話をもどして.....そーです、この後2つの捜査組織に枝分かれするのですが??
 次の画像がその回答となります。
 バッジGはアルコール・タバコ&ファイアーアームスとタイトルは変わっても、まだアイ.アール.エス.:内国歳入庁の所管ですが、ここから同じくアイ.アール.エス.:内国歳入庁・クリミナル・インベスティゲーション:内国歳入庁犯罪捜査局?(現行のサービスガンはグロック22・27))のバッジHへ、そしてアイ.アール.エス.:内国歳入庁から1972年に独立しアルコール・タバコ&ファイアーアームス略してエー.ティー.エフ.(アルコール・タバコ・火器局)のバッジI へ、さらに2003年からは財務省から司法省へ管轄が移りアルコール・タバコ・ファイアーアームス&エクスプローシブス(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局:現行のサービスガンはグロック22・23・27)のバッジJへとなっていくのです。
 なお、画像のバッジのエナメル部分は全てブルー・ハードエナメル仕様です。
Photo by エー.ティー.エフ.


 さて、米国の連邦系法執行機関の犯罪捜査部門は120機関にも及びますが、わが国では考えられないですが、脱税は国税であれば武装したアイ.アール.エス.・クリミナル・インベスティゲーション(内国歳入庁犯罪捜査部?)に捜査・逮捕され、銃器や爆発物はまだしもアルコールやタバコの違反行為もエー.ティー.エフ.に捜査・逮捕されるかもしれないのです!?
 さて、次回は.....。
  

Posted by Kent Space at 19:12Comments(5)From U.S.A.Movie & TV