2013年05月17日

Movie Prop Badges #12の追伸の追伸......?

 “Gangster Squad” の “Daryl Gates” つながりをもうひとつ語ってしまいます......。
 ダリル・ゲイツ元LAPD本部長は、リタイア後、SUN BADGE社の顧問に就任したほか、全米で講演会などに引っ張りだこだったようですが “遊び心” も忘れてはいなかったようで、2008年全米公開の“STREET KINGS”(邦題:フェイクシティ)に “LAPD Chief Daryl Gates” 役で出演していたのです。 実はこの件は鑑賞後プログラムをくまなく読んでいて見つけたので、上映中は知る由もなく、「殉職者の葬儀シーンに出演していた LAPD Chief の役者さんは、ユニフォーム姿も板についていて、ダリル・ゲイツ元本部長によく似ているな……」 程度に感じていましたが、帰宅後プログラムに次の一節を観つけてビックリしました......『撮影の中で実際の警官が本物と見間違えるほどリアルに再現されたのが、殉職したワシントン巡査の葬儀のシーンであり、ここでも数百人に及ぶエキストラの衣装から、車の配置に至るまで正確さが求められた。 また、劇中でスピーチに立ったのは元ロス警察署長(正しい邦訳は“ロサンゼルス市警察本部長”)のダリル・ゲイツ氏である。 彼は作品のメッセージに共感して出演を快諾。 ゲイツ氏のおかげで、この場面は非常に感動的なものとなった』(一部補足) これは多分日本では考えられないことでしょうね。




 次の画像は、2012年渡米の折、撮影してきたLAPDポリスアカデミー中庭に建立されている “Former LAPD Chief Daryl Gates” の銅像です。



 ここで “トリビア” をひとつ......この映画で、ダリル・ゲイツ元LAPD本部長本人が着用していたハットバッジとブレストバッジは本人が現役当時着用していたものではなく、映画会社が用意したプロップでした。 そのためハットバッジの上部にCHIEFと記されたランクリボンパネルがなく、ブレストバッジはよくできていましたが、左右反りであり、実物の椀曲ではありませんでした。 実は、ダリル・ゲイツ元LAPD本部長の手元には1995年まで採用されていた、小型版のリタイヤードバッジしか支給されてなく、ナンバーパネルにハードブルーエナメルの“1”が記され、その数字を挟むようにスターリングシルバー製の4スターが配置された独特のCHIEFバッジ(ゲイツ氏以降のCHIEFバッジにはナンバーはなく4スターのみ)は、規定通りLAPDに返却していたのでした。 この伝説的なダリル・ゲイツ元LAPD本部長が着用していたCHIEFバッジはその後、LAPDミュージアムに収納展示されることもなく行方不明でした......がしかし、私は一昨年このバッジを目にしてしまいました。 一目見た瞬間ダリル・ゲイツバッジだと直感し 「アッ」 と声をあげてしまいましたが、そのバッジの持ち主は口に指を当て 「シッ!」 のポーズ.....私はとっさに 「I never reveal it.....」 と言っていました。 個人の秘蔵コレクションになってしまったのは残念ですが、渡米した折に見ることは可能なので 「まっいっか!?」
 “Gangster Squad” のプロップバッジについて 「やはりBHPDタイプのバッジに違和感を覚えますね。」 という数少ない貴重な読者からのコメントをいただきましたが、バッジコレクターのアメリカ映画会社関係者によると「映画のプロップ担当者には、実物と同じモノを使用する派と少しでも変えてプロップ屋魂を発揮する派がいる」とのことでしたが、然るにこの映画のプロップ担当者は後者ではないでしょうか......? わざわざ登場回数も少ないバッジに独自のデザインをし、しかも、ちゃんとしたバッジ会社にランクタイトル・ナンバーなどをシール仕様ではなく、刻印仕様で複数個を発注していますので “努力賞” を進呈してもよいのではないでしょうか??
 次の画像は、左が実物BHPDバッジ、真中が1940年のデザイン変更時から1968年頃まで使用された実物SERGEANTランク“4ピース” バッジ、右側が実物現行SEGEANTランク ”1ピース” バッジです。



  

Posted by Kent Space at 18:18Comments(0)Kent CollectionMovie & TV