2014年03月08日

LAPD Grandfatherring

 以前、LAPDには家族のバッジを引き継ぐ “Grandfatherring” という伝統があるということをお伝えしましたが、次の画像をご覧ください。
 この画像は、LAPDの装備担当が2009年11月(バッジ授与式は11月6日、卒業式は12月4日)に LAPDアカデミーを卒業するクラス 6-09 (2009年6月入校組))に渡すため、バッジを紙袋に入れようとしているところのようですが、ポリスオフィサーランクのバッジナンバーが #6701、そして卒業生の名前が “Martin Beck”…..!?

LAPD Grandfatherring


 なんと、これは、この年2009年11月に第56代 LAPD・Chief に就任した “Chief Charlie Beck” の子息に貸与されるバッジなのです! しかも LAPD 伝統の “Grandfatherring” によるものなのですが…….待てよ、6千番台はKAAG社製でなくては?……. しかし新品……?? しかもナンバーフォントが SUN 社の2008年以降のもの…….???
 種明かしは……ナンバーは彼の父親 Chief Beck のものですが実際の #6701バッジは父親 Chief Beck が1984年に SERGEANT に昇任した時に PD に返納し、その後処分されているため新たに SUN社に依頼し製作したようです(その後このバッジは2009年にエンテンマン・ロビン社に製造契約が移った後のものと判明しました→詳しくは2015年3月15日の記事参照)。
 Chief Beck 家は、いわゆる 『警察官一家』 で、父親は1980年に Deputy Chief (2スター)でLAPDをリタイア、奥さんは元LASD、妹は元LAPD の Detective、そして3人の子供たち(1女・2男)は全員 LAPD のオフィサーというものです。 その上、本人も1975年 LAPD リザーブ、1977年 LAPDに奉職した生え抜きで、2009年 “Chief Bratton” 退任の折、彼は Deputy Chief (2スター) でしたが、上に2名いた Assistant Chief (3スター)を飛越しての抜擢で Chief に就任しています。
 画像は、父親である Chief Charlie Beck から卒業証書を授与された Officer Martin Beck。


LAPD Grandfatherring


※3月7日にビバリーヒルズ市域内で大型トラックのクラッシュにLAPDのパトロールカーが巻き込まれ、乗員の Officer Nicholas Choung Lee が死亡、同乗の女性オフィサーが重傷を負いました。Office Lee はハリウッド署勤務の40歳、1998年奉職から勤続16年のベテランで、トレーニング・オフィサーとして、同乗のアカデミーを3か月前に卒業したばかりの女性オフィサーのルーキー・トレーニング中でした。
 Officer Lee のご冥福と、ルーキー女性オフィサーの回復を祈ります。



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Posted by Kent Space at 15:58│Comments(2)From U.S.A.
この記事へのコメント
いつも勉強させていただいてます!
別のミリブロでLAPDの白バイ警官のジャケットを話題にしていましたが、ショルダーパッチをしていないのはなぜですか?
http://badge.militaryblog.jp/e522233.html
Posted by アメリカンポリスマニア at 2014年03月09日 15:36
アメリカンポリスマニアさんへ:

コメントありがとうございました。
勉強などと言われますと、恥ずかしい限りで......適当に参考にしていただければ幸いです。

ご質問の画像を見てみましたが、これは3月2日に行われたアカデミー賞授与式の準備中に会場周りのレッドカーペットの上で撮影されたもののようです。
写っているLAPDオフィサー達は、正規のオフィサーではなく、全員 West Traffic Division の Reserve (予備) のモーターサイクル(以下MC)オフィサー達です。
リザーブオフィサーは主にイベントなどの補助要員ですが、ジャケット(LAPDでは、フィールド・ジャケットと規定)の下にはクラスAのユニフォーム (長袖シャツにネクタイ着用、クラスBは長・半袖シャツにノーネクタイ、クラスCはBDU (LAPDではジャンプスーツと規定)、ポロシャツ などの簡略ユニフォーム) にはトラフィック(交通)・ショルダーパッチなどを付けているはずです。
この、トラフィック(交通)部門のショルダーパッチをLAPDではTraffic Assignment Shoulder Emblemと規定していますが、ショルダーパッチのクラスA・Bユニフォームシャツへの着用が義務付けられているのは、トラフィック(交通)部門とエアサポートディビジョンのみで、他のSWATやバイクパトロールなどのパッチは制式なものではなく、その部門が独自に採用しているものですので、クラスA・Bユニフォームシャツへの着用は認められていません。
トラフィック部門のオフィサーはショルダーパッチの他にTraffic Assignment Emblemと規定する、ホイール(車輪)をモチーフにしたウイング&ホイール (MCオフィサー以外のトラフィックオフィサー) とアロー&ホイール (MCオフィサー) パッチをショルダーパッチの下部に付けます。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ご質問の写真のショルダーパッチの有無ですが、LAPDでは従前から、レギュレーション上、トラフィック部門の正規・リザーブオフィサー共 (MCオフィサーも含み)、バッジもしくはバッジパッチ、ネームタグとランクインシグニア以外をフィールド・ジャケットへ着用することは規定していませんので、一般オフィサーと同様、ショルダーパッチのないフィールド・ジャケットとなります。
Posted by Kent SpaceKent Space at 2014年03月10日 13:21
 
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