2017年06月28日
LAPD グランドファザーリング#2 & リタイヤードバッジ
LAPDのグランドファザーリングについては、2014年3月8日付けで現チーフ・ベックのご子息のバッジについてアップしましたが、昨日友人から 「アメリカのABCニュースで父親のバッジを息子さんが引き継ぐという話題を取り上げている」 という情報をもらいました。 早速検索してみると確かにアカデミーを卒業したばかりの2人のルーキーとフォーマーLAPDオフィサーの父親がインタビューを受けており、1980年代に奉職した父親達の#9509と#9510というサン社製と思われる連番バッジが息子達に引き継がれたという内容でした。
http://abc7.com/family/lapd-officers-have-same-badge-division-as-retired-fathers/2151720/
Photo by abc News
しかし、その2つのバッジにはご覧のとおり一目瞭然の違いがあります。 #9509のバッジは擦れもない新品のように見えますがナンバーフォントは当時のもので、#9510バッジの方は父親が 『磨きに磨きぬいた!?』 痕跡アリアリの状態です。
#9510バッジは明らかに父親が着用していたものでしょうが、#9509は父親がバッジ会社の注意事項を厳守し磨かずクリアコートも剥がれない短期間のうちに昇任したため綺麗な状態で、①イレギュラー保管?していたか(原則として昇任時旧ランクバッジは人事課に返納するのですが、以前は本人保管もあったようです!? また、1970年から小型のリタイアバッジが支給されていたものを1995年以降は実際に着用していたバッジのトップに "RETIRED" パネルをリベット止めしたものが支給されています)、②人事課保管依頼したものか、もしくは③イレギュラー保管も保管依頼もしていなかったため、LAPRACを通してサン社に当時のナンバーフォントで新たに作製してもらったかのいずれかではないかと思われます!?
私は以前#9538バッジを確認したことがありますが、サン社初期のHM刻印のKAAGシェルバック・ダイで、製作年月刻印は 『12-82』 でしたので、多分ニュースの両バッジも同じ刻印ではないかと推測します。
いずれにしてもLAPDの 『グランドファザーリング』 という伝統が脈々と引き継がれているのは、親子とも誇らしいことでしょうが、我々コレクターには嬉しくも羨ましくもありますね!
余談ですが、私の友人はPOランクからSgt. ランクに昇任しPOバッジを人事課に返納する際に、退職時に購入したいので保管を依頼していたのですが、先日確認したところ人事課には保管されていないことが分かり(誤処分or流出!?)、憤慨するとともにガッカリしていました.....。
そこで過去のリタイヤード・バッジに話を移しますが、1970年採用の小型版バッジ以前は画像左側の真鍮板にピンを除いたバッジを直接ロウ付けし下部に氏名と奉職期間を刻印したバージョンもありましたが、何故か?無加工のバッジを保有している場合もあったようです!?
また、リタイヤードIDカードも上段は通常のIDカードに2カ所 ”RETIRED” とタイプしたバージョン(チーフ・リッデンですので1967~1969年までのもの)と下段のようにリタイヤード専用カードになったバージョン(チーフ・E.ディビスですので1969~1978年までのもの)がありました。
次の画像左側は1970~1995年まで採用されていたリタイヤードバッジで右側の現行バッジと比較すると小型版で、しかもバッジナンバーが着用していたものと異なるリタイヤード専用通し番号であったため評判はイマイチでした。
そして、1995年以降は画像左端の実際に着用していたバッジの上部に ”RETIRED” パネルをピン止めすれば所持できるようになりましたが、最近は真ん中のように ”HONORABLY RETIRED(名誉退職=円満退職)” となったようです。また、IDカードも現用と同じくプラスチック・バージョンになっています。
パネルを付けたくなければルーサイト(樹脂封入:バックカラーは4色)バージョンもありますが、私の友人は着用していたブレストバッジはパネルを付けずにルーサイト処理し、フラットバッジはパネルを取り付けIDカードと供にバッジケースで携帯したいといっています。これを携帯していればガンをコンシールド・キャリー(CCW)できるそうです。
http://abc7.com/family/lapd-officers-have-same-badge-division-as-retired-fathers/2151720/
Photo by abc News
しかし、その2つのバッジにはご覧のとおり一目瞭然の違いがあります。 #9509のバッジは擦れもない新品のように見えますがナンバーフォントは当時のもので、#9510バッジの方は父親が 『磨きに磨きぬいた!?』 痕跡アリアリの状態です。
#9510バッジは明らかに父親が着用していたものでしょうが、#9509は父親がバッジ会社の注意事項を厳守し磨かずクリアコートも剥がれない短期間のうちに昇任したため綺麗な状態で、①イレギュラー保管?していたか(原則として昇任時旧ランクバッジは人事課に返納するのですが、以前は本人保管もあったようです!? また、1970年から小型のリタイアバッジが支給されていたものを1995年以降は実際に着用していたバッジのトップに "RETIRED" パネルをリベット止めしたものが支給されています)、②人事課保管依頼したものか、もしくは③イレギュラー保管も保管依頼もしていなかったため、LAPRACを通してサン社に当時のナンバーフォントで新たに作製してもらったかのいずれかではないかと思われます!?
私は以前#9538バッジを確認したことがありますが、サン社初期のHM刻印のKAAGシェルバック・ダイで、製作年月刻印は 『12-82』 でしたので、多分ニュースの両バッジも同じ刻印ではないかと推測します。
いずれにしてもLAPDの 『グランドファザーリング』 という伝統が脈々と引き継がれているのは、親子とも誇らしいことでしょうが、我々コレクターには嬉しくも羨ましくもありますね!
余談ですが、私の友人はPOランクからSgt. ランクに昇任しPOバッジを人事課に返納する際に、退職時に購入したいので保管を依頼していたのですが、先日確認したところ人事課には保管されていないことが分かり(誤処分or流出!?)、憤慨するとともにガッカリしていました.....。
そこで過去のリタイヤード・バッジに話を移しますが、1970年採用の小型版バッジ以前は画像左側の真鍮板にピンを除いたバッジを直接ロウ付けし下部に氏名と奉職期間を刻印したバージョンもありましたが、何故か?無加工のバッジを保有している場合もあったようです!?
また、リタイヤードIDカードも上段は通常のIDカードに2カ所 ”RETIRED” とタイプしたバージョン(チーフ・リッデンですので1967~1969年までのもの)と下段のようにリタイヤード専用カードになったバージョン(チーフ・E.ディビスですので1969~1978年までのもの)がありました。
次の画像左側は1970~1995年まで採用されていたリタイヤードバッジで右側の現行バッジと比較すると小型版で、しかもバッジナンバーが着用していたものと異なるリタイヤード専用通し番号であったため評判はイマイチでした。
そして、1995年以降は画像左端の実際に着用していたバッジの上部に ”RETIRED” パネルをピン止めすれば所持できるようになりましたが、最近は真ん中のように ”HONORABLY RETIRED(名誉退職=円満退職)” となったようです。また、IDカードも現用と同じくプラスチック・バージョンになっています。
パネルを付けたくなければルーサイト(樹脂封入:バックカラーは4色)バージョンもありますが、私の友人は着用していたブレストバッジはパネルを付けずにルーサイト処理し、フラットバッジはパネルを取り付けIDカードと供にバッジケースで携帯したいといっています。これを携帯していればガンをコンシールド・キャリー(CCW)できるそうです。
この記事へのコメント
とても勉強になりました!バッジに対するプライドを感じますね。有り難うございました!
Posted by KIKU at 2017年06月28日 19:29
#9510のバッヂのように擦れ過ぎても、判別可能なら制服に着用可能でしょうか?どこまで擦れたら交換?になるのでしょうか?ナンバーフォントも当時の字体で作成可能とはサン社もその当時のフォントを把握しているのですね。あと、お知り合いのsgtのお気持ちが良く分かります…私だったら意気消沈です。参考になる記事、ありがとうございました!
Posted by SFPD at 2017年06月28日 21:46
写真にあるリタイヤード専用カードはコレクションされてらっしゃるものですか?
時代を感じますね。
時代を感じますね。
Posted by リタイヤード at 2017年06月29日 12:37
KIKUさんへ:
情報ありがとうございました!
米国の軍人や警察官に対するプライドの持たせ方は(略綬、資格章や勤続年数ストライプの着用、さらには殉職者への最大限の尊厳などなど)見習うものがありますね。
SFPDさんへ:
#9510バッジは着用中に擦れたのではなく、オフィサーが勤務スタートのブリーフィング時にせっせと毎日磨き倒した結果です。
友人はメーカーの注意事項どおり乾拭きのみでベイクドクリアコートをはがしていませんが、バッジのゴールド部分は真鍮&銅合金の地色なのでベイクドクリアコートを剝がしてしまえば、特有のクスミ(錆)が出てしまうので、磨き続けなければならなくなるのですが、どうも若いオフィサーは貫録が付くと勘違いして磨き倒しているようなので、「いくらバッジに貫録を付けたつもりでも経験の浅さは一目瞭然なのに」と嘆いています。
中にはハードエナメルがほとんど剥がれているようなバッジを着用しているオフィサーもいますので、月一のハイランクによるインスペクション時に注意を受けるかもしれませんね!?
たとえ、”のっぺらぼう” にしてしまったとしても新たに支給されるのではなく自費弁償ではないでしょうか?
サン社は各ランクのダイ(金型)を保有しており、現在使用されていない ”POLICEMAN" "INVESTGATOR" などKAAG社から引き継いだダイも保管していますので、ナンバーも同様と思われます。
リタイヤードさんへ: コメントありがとうございました!
記事のリタイヤードIDカードは知人からのいただき画像です。私はRSERVEオフィサーの実物旧IDカードを所有しているのみです。
情報ありがとうございました!
米国の軍人や警察官に対するプライドの持たせ方は(略綬、資格章や勤続年数ストライプの着用、さらには殉職者への最大限の尊厳などなど)見習うものがありますね。
SFPDさんへ:
#9510バッジは着用中に擦れたのではなく、オフィサーが勤務スタートのブリーフィング時にせっせと毎日磨き倒した結果です。
友人はメーカーの注意事項どおり乾拭きのみでベイクドクリアコートをはがしていませんが、バッジのゴールド部分は真鍮&銅合金の地色なのでベイクドクリアコートを剝がしてしまえば、特有のクスミ(錆)が出てしまうので、磨き続けなければならなくなるのですが、どうも若いオフィサーは貫録が付くと勘違いして磨き倒しているようなので、「いくらバッジに貫録を付けたつもりでも経験の浅さは一目瞭然なのに」と嘆いています。
中にはハードエナメルがほとんど剥がれているようなバッジを着用しているオフィサーもいますので、月一のハイランクによるインスペクション時に注意を受けるかもしれませんね!?
たとえ、”のっぺらぼう” にしてしまったとしても新たに支給されるのではなく自費弁償ではないでしょうか?
サン社は各ランクのダイ(金型)を保有しており、現在使用されていない ”POLICEMAN" "INVESTGATOR" などKAAG社から引き継いだダイも保管していますので、ナンバーも同様と思われます。
リタイヤードさんへ: コメントありがとうございました!
記事のリタイヤードIDカードは知人からのいただき画像です。私はRSERVEオフィサーの実物旧IDカードを所有しているのみです。
Posted by Kent Space at 2017年06月29日 19:59
退職された方も銃の携帯が許可されているんですね。
他にも警察官並の権限が与えられているんでしょうか?
他にも警察官並の権限が与えられているんでしょうか?
Posted by ライダー at 2017年07月03日 23:53
ライダーさんへ: コメントありがとうございました!
通常リタイヤした場合はCCW以外は一般市民と同じになるようですが、経験を活かし協力や助言を求められることがあるようです。
通常リタイヤした場合はCCW以外は一般市民と同じになるようですが、経験を活かし協力や助言を求められることがあるようです。
Posted by Kent Space at 2017年07月04日 15:14
これらのIDはコレクター市場ではどの程度見つけるのが難しいのでしょうか?
バッジより難しい印象です。。。
バッジより難しい印象です。。。
Posted by Retired at 2018年04月17日 09:13
Retiredさんへ: コメントありがとうございました!
2006年6月にプラスチックカードに変更後の現行IDカードを入手するのは無理でしょうが、その前のラミネート加工の旧IDカードは変更時に返納しなくてもよかったようですので、流出する可能性はあるかもしれません。
しかし、オフィサーは記念としてリタイアードプリークなどに保管している場合が多く流出は難しいかもしれません。
また、リタイアードIDカードは、CCW(コンシールド・キャリー・ウエポン:拳銃携帯許可)の証明書ともなり、オフィサーが存命中であれば継続更新できますので流出は難しいでしょうが、旧カードは返納していないオフィサーが多いようですので、オフィサーが亡くなった後家族などからコレクター市場に流出する場合があるようです。
2006年6月にプラスチックカードに変更後の現行IDカードを入手するのは無理でしょうが、その前のラミネート加工の旧IDカードは変更時に返納しなくてもよかったようですので、流出する可能性はあるかもしれません。
しかし、オフィサーは記念としてリタイアードプリークなどに保管している場合が多く流出は難しいかもしれません。
また、リタイアードIDカードは、CCW(コンシールド・キャリー・ウエポン:拳銃携帯許可)の証明書ともなり、オフィサーが存命中であれば継続更新できますので流出は難しいでしょうが、旧カードは返納していないオフィサーが多いようですので、オフィサーが亡くなった後家族などからコレクター市場に流出する場合があるようです。
Posted by Kent Space at 2018年04月18日 14:30
ご丁寧な返信有難うございました。
当然、IDカードは身分証明書でしょうから簡単に流出すべきではないですよね。
幸運にも旧IDと現行プラスティックRetired IDは入手する事ができましたが、現行現役版はやはりなかなか見つからずお尋ねしました。勉強になりました。
当然、IDカードは身分証明書でしょうから簡単に流出すべきではないですよね。
幸運にも旧IDと現行プラスティックRetired IDは入手する事ができましたが、現行現役版はやはりなかなか見つからずお尋ねしました。勉強になりました。
Posted by Retired at 2018年04月18日 18:43